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喘息の種類

喘息は、空気の通り道である気道(気管支など)に炎症が起き、空気の流れ(気流)が制限される病気です。気道はいろいろな吸入刺激に過敏に反応して、発作的に咳、“ゼーゼー"と気管支が鳴る喘鳴、呼吸困難が起きます。気流制限は、軽いものから死に至るほどの高度なものまであり、軽症のものでは自然に、また、治療により回復し可逆的です。しかし、長く罹っている成人の喘息患者の気道では、炎症とその修復が繰り返される過程で気道の壁が厚くなって、気流制限が元に戻りにくくなります。気道の敏感さ(過敏性)も増し、結果、治療の効きにくい不可逆的な状態になります。

一口に喘息といっても、いろいろな種類のものがあります。まず喘息は大きく二つに分類することができます。1つは、アレルギーの関与が考えられるアトピー型喘息、もう1つはアレルギーの関与しない非アトピー型喘息です。それから、特殊な喘息としては、アスピリン喘息、咳型喘息、運動誘発喘息などがあります。

アトピー型喘息と非アトピー喘息

気管支喘息、花粉症、蕁麻疹などは、同じ家族内に多発することから、遺伝的素因に基づいて発症する生まれつきの過敏症(アレルギー)であると考え、この素因をアトピーと呼ぶようになりました。簡単にいえば、アトピーはアレルギーを起こしやすい体質のことで、アトピー性皮膚炎の病名の由来もここにあります。

アトピー素因があるかどうかは、家族歴と既往歴に気管支喘息、アレルギー性鼻炎、結膜炎、アトピー性皮膚炎のいずれかがあるか。または、IgE抗体を産生しやすい素因があるかで判定されます。

IgE抗体は、皮膚テスト陽性、血中の特異的IgE抗体の測定(RASTなど)の陽性、血清総IgE抗体の高値により証明されます。アトピー型喘息は、吸入された家塵ダニ、カビ、花粉などにIgE抗体が反応して、30分ぐらいの短時間で起きる即時型アレルギー反応によって発症する喘息です

これに対して、アレルゲンに対するIgE抗体が証明できず、即時型アレルギーではないメカニズムの炎症によって発症すると考えられる喘息を、非アトピー型喘息といいます。アトピー素因に関係する遺伝子の候補はいくつか報告されていますが、単一の遺伝子ではなく、多くの遺伝子が関係していると考えられます。

アスピリン喘息とは?

喘息患者は、アレルゲン、冷気、運動など、いろいろな刺激に反応して喘息発作を起こしますが、成人喘息の1割は、アスピリンを代表とする多くの鎮痛剤によって、喘息発作が誘発されます。これをアスピリン喘息といいます。男性よりも女性のほうが発症しやすい傾向にあり、その大多数は20〜50代です。また、内服薬や注射だけでなく、座薬、湿布薬も発作を誘発しますので注意が必要です。

アスピリン喘息は、喘息発作の前に鼻水、眼の結膜充血を伴うこともあり、即時型アレルギーに似ていますがIgE抗体価は低く、アレルギーとは異なる機序で起きていると考えられます。さらに、時に意識障害を伴うほどの大発作になり、死にいたることもあります。

咳喘息とは?

咳喘息(cough variant asthma:CVA)は、ゼーゼー、ヒューヒューや呼吸困難がなく、慢性に咳だけが続く病気です。咳喘息は正式な喘息ではありませんが、喘息の前の段階と考えられています。原因はよくわかっていませんが、最近、非常に増えている病気で、多くは風邪に続いておこる傾向にあります。風邪の後に3〜4週間以上咳が続いたら、この病気の可能性もあります。アレルギー素因のある人に多く、女性の方が多いという傾向にあります。

また、再発を繰り返す事も多いようです。咳喘息特有な所見があるわけではないので、診断が困難な場合もあります。そのため、気管支拡張薬が有効であることから咳喘息と診断する場合があります。

運動型誘発喘息とは?

冬に外でする運動には要注意です。喘息患者さんの症状には程度の差はありますが、運動をすると発作が起こりやすいものです。運動して起こる発作を運動誘発喘息と呼んでいます。その種の発作は通常、運動を始めて数分で起き、運動を中止すると30分ほどで回復します。

しかし、中には運動を中止しても回復せず、重症の発作を引き起こしてしまうこともあります。運動誘発喘息が起こりやすいのは、気管支が過敏になっているとき、つまり、喘息のコントロールがしっかり出来ていないときです。逆に言うと、日々のコントロールがきっちり出来ていれば、運動誘発喘息を特別視する必要はないのです。

ただし、運動の種類、持続時間、気温と湿度によっても起こりやすさは違いますから、これは知っておいた方がよいでしょう。運動誘発喘息を起こしやすいスポーツはマラソン・サッカー・ラグビーなど、冬に外でするものや、運動が激しいもの、また、持続力が必要なものになります。逆に起こしにくいスポーツは、水泳・剣道など、夏または室内で行うもの、瞬間的な運動のものがあります。